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狂気の沙汰・killing field

まず先に。

今回のブログは少し過激な写真があります。
読んでくださる方は、心構えを。







プノンペンの街中にある、トゥールスレーン博物館。



P1030303_20100609153019.jpg


見ての通りここは元々中学校だったところ。


しかし、校庭であったであろうはずのところに、あるのは墓。


P1030317.jpg




ここはカンボジアの虐殺の歴史を語るところ。




郊外にあるのではなく、変わらない街の中に佇む、無機質な建物。


歩いてここまで来て、外からこの建物を見て、まず鳥肌が立った。



すごいところに来てしまった。


そう思った。外から見るだけで、その建物の異様さがわかる。




中にあるのは4棟の建物。

それは日本にある学校と大して変わらないつくりで、一見すれば学びの舎。






ここはポル・ポト政権時代、監獄として利用された建物。

拷問器具やおびただしい数の入獄前、拷問、そして処刑後の写真が展示されている。








1975年からポル・ポトによる虐殺は始まった。


それまでのロル・ノン政権を倒し、ポル・ポトが政権を執った。

反政権側の処刑に始まり、人々の強制労働、技術者、教師の処刑から、市民、子どもまでを処刑。

1975年から1979年の4年間で、カンボジアの人口の3分の1が虐殺されたという。


30年前の話。

オレがカンボジアで出会った人にも、この時代生きていた人は多くいるだろう。







1979年ベトナム軍がプノンペンに侵攻。


この学校では、看守達が残りの捕らえられた人々を殺し、逃げて行ったという。

ベトナム軍がここに入った時、拷問・処刑された何人もの遺体が放置されていたという。






生存者は6人。









教室にあるのは鉄がむき出しのベッドと悲惨な写真。

ベトナム軍が入った時に撮影されたときのものらしい。



P1030311.jpg


人が殺された状態と、同じ状態にある室内。

写真と同じだ。

床のシミは血だろうか。



入る教室、入る教室、同じように、ベッドと写真がある。

拷問に使用された手枷、足枷、そして、棍棒だろうか。






1つ1つの教室はほとんど変わりばえしない。

それでも僕はできるだけたくさんの教室に入った。



僕にはどこも同じように見えても、中にいた人にとっては、一つ一つが最後の部屋。






ここで人が死んだ。







P1030320.jpg



処刑された人の入獄時の写真がいくつもある。


本当に多くある。


後ろ手に手枷をされたまま写真を撮られたであろう人、赤子を連れたままの母親、そして拷問され殺された後の悲惨な遺体の写真。






なぜこんなに殺されたのか。


わからない。


まったくもって理解ができない。見当もつかない。








例えば、ヒトラーのユダヤ人虐殺。

ヒトラーを擁護するつもりは毛頭ないけど、彼はドイツ人で、殺された多くはユダヤ人。

人種が違う。


虐殺や戦争には、人種や宗教の違いということが多い。






しかし、ポル・ポトの場合、同じカンボジア・クメール人。


彼も他の市民と変わらなかったはず。

そして、ポル・ポトの命令を受けて、殺した人も変わらぬ同じ人だったはず。




P1030324.jpg



頭蓋骨でできたカンボジア、血の川と湖の地図。



この博物館には殺された遺体が放置されていたところの、おびただしい数の遺体の山の写真や頭蓋骨もある。



実際に使用された拷問器具。

縛れたまま、水がめに頭から入れられたという、その水がめ。





両手を手枷に縛られ、水につけられたという装置のようなものがあった。



そこで手枷に腕を載せてみた。

何かを感じるわけではない。

それでも同じようにここに手を載せた人は、そのまま息絶えた。








トゥールスレーン博物館。


ここはものすごい雰囲気を持っている。


僕は考えすぎたのか、空気に当てられたのか、本当にもう勘弁、と疲れてしまった。


すごいところに来てしまった。












その次に行ったのは、キリングフィールド。


名前からしてすごいところだ。「殺人現場」とでも訳せる。




トゥールスレーン博物館で囚人となった人は、このキリングフィールドに連れていかれ、棍棒で殺されたという。

連れこられて、処刑された人は2万人。2000人は子どもだ。




P1030330.jpg



キリングフィールド自体は、今は綺麗な公園に見えるところ。

緑があって、市街から少し離れた、静かなところ。



それでもここは、墓、というか命が消されたところ。



碑がある。

中にはいくつもの頭蓋骨。



P1030328.jpg



ものすごい数の頭蓋骨、そして遺品。

本当に、一人一人が生きていた人なのか疑問に思ってしまった。



そこにいるのは人だったはず。

今僕は、ものすごい数の人を見ているはず。



それでもそこにあったのは頭蓋骨。



世界中から届いている供え物。千羽鶴。

線香と菊の花をあげた。


P1030329.jpg







歩いてみると、当たりには窪みがたくさんあるのがわかる。

ここに遺体の山があったんじゃないか。そう思ってしまう。



公園のようになっていても看板がいくつも立てられている。



P1030335.jpg


ここは赤ん坊が足を持たれ木に打ち付けられ殺されたところ。


キリングフィールドには、いまだに掘り起こされていない人骨、遺品がたくさんある。

ところどころに、入ってはいけないように柵をしてるところも多い。

服が山積みになって展示されていたりする。


P1030336.jpg


白いのは人骨だろう。











本当にわからない。





物事を片側からしかみれないのはよくないと考えている。



多面的に視線を変えて見てみることが大事だと思っている。




だから、こういうことも、虐殺した側の気持ちになって、少し考えてみようと思った。


言い訳になるはずはなくても、なにか少しでも理由があるのかもしれない、と思っていた。






しかし、ここは本当にわからない。




まったくもって理解できないんだ。















少し奥に入ると、子どもが金網越しに声を掛けてきた。



「こんにちは。どこから来たの?名前は?」



英語だ。


ガイドをしてお金を欲しがるのだろう、とわかったけど、それでもいい気がして話してみた。




色々話を聞いた。


「ここは爆弾で窪みができたんだ。だから今は池になってる。」

「この木にはギザギザしてるトゲがあるだろう?これで人の首を切ったんだ。」



説明してくれた彼はきっと僕より年が若い。

勉強したのか、教えてもらったのか、流暢に英語でキリングフィールドのことを話す。





写真を撮らせて?と聞くと、4人の子ども達が

「ワン、ツー、スリー、スマイル」

といって撮らせてくれる。





そして、彼らは最後に

「僕達はお金がないんだ。学校に行きたくても行けない。だから少しだけお金をくれない?」

と言って、4人でお願いをしてきた。




初めてカンボジアの貧困というものを目の当たりにした。


それでも彼らは悪い人間ではない。

4人に、5000リエルずつあげた。

合計でも日本円にして500円しない。


ペットボトルの水もあげた。



P1030334.jpg




金網ひとつがとても大きく見えた。



この金網の差はなんだろう。


オレは生まれてから、物乞いをしたことはない。





人間は不平等だ。









金網沿いに、藁葺きの小さな家があった。





過去の虐殺現場で、今を生きる人がいる。


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プロフィール

あらた

Author:あらた

 小さい頃に国旗のぬりえにはまり、それ以来地理が大好きになってしまった可愛くない幼稚園児時代から全ては始まった・・・。

 世界地図を眺めていたら旅へ出てしまった、よくいる休学大学生。

 世界中を歩いて歩いて、感動したり、激怒したり、飲んだり飲まれたり、聖なる剣を探したり、手から炎だしたり、世界を救ったり。そんな僕も世界中の旅人と「よい旅を」と握手をし、2010年末帰国。でもブログはまだ続いています。

 はぁーーたまごかけがご飯がうまい。

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