
ヨーロッパのよくある風景。
サラエヴォには2つバスターミナルがある。
今でもボスニア・ヘルツェゴヴィナには2つの組織、スルプスカ共和国(セルビア共和国)とボスニア・ヘルツェゴヴィナ連邦あるように、2つの違った性質のバスターミナルがある。
(詳しいことは前回、前々回のブログで。)
サラエヴォから次に向かったのはセルビアという国。
セルビアに行くには、サラエヴォの中にあるスルプスカ共和国側のバスターミナルからのバスの発着が多い。
でも、1日1本、朝6時にボスニア・ヘルツェゴヴィナ連邦側からのバスがあったので、そっちから向かいました。
そんなわけで、セルビアの首都ベオグラード。

・・・ついにきてしまった!!!
キリル文字の国!!!
旧ユーゴスラヴィアは、7つの国境・6つの民族・5つの共和国・・・と続くのを聞いたことがある人も多いでしょう。
そこに出てくるのが、「2つの文字」。
そう、セルビアはロシア語と同じキリル文字の国。
日本語で言うところの、顔文字ですね。
(゜д゜)のдですね。
読めねぇ・・・・・・!!!
でもこれ、ちょっとわかると、意外に簡単に読めてくる。
実はこれ、アルファベットと連動してるんですね。
ДはDで
ИはIで
ЛはLで
БはBで
НがNで
РがRで
Фがphで
更新遅れてて、リアルワールドではここにいたのはもう一ヶ月前の話なので、もう読めません。
「Инфроматион」が「Information」と読めたときの感動はすごかった。

そんなわけで、ここセルビアは、旧ユーゴの中心の国。
共産主義の中心だったので、街中はちょっと灰色ぽい。
旧ユーゴスラヴィアといえば、チトーという英雄がいます。
このチトーおじさんは超敏腕の政治家。
チトーのおかげで、ユーゴはナチスの一時的な侵略から抜け、一つの国となりました。
チトーはユーゴスラヴィアという国を一致団結させて、彼が生きている間は民族の壁は薄く、ユーゴも安定していました。
そのユーゴを束ねていたのがここセルビア。
しかし、チトーが死んでから、ユーゴは泥沼の戦争が始まっていく。
英雄チトーはものすごいカリスマだったんです。
その後のセルビアは、世間的に見れば「悪役」の国になります。

ここは政府系の建物が集まる通り。
一見すると綺麗な建物が集まっていますが、一箇所だけ不自然なところがあります。

ここはクネズ・ミロシュ通り。
これは昔の政府系の建物です。
爆撃の痕が今でものこっています。
この爆撃はごく最近。
NATO軍による爆撃。
NATOとは、アメリカや西欧からなる国際機関。
世界からしたら「正義」と呼ばれる国々。

ここは今でもこのままで、曖昧な記憶なんだけど、取り壊すより別の建物に移動したほうが費用がかからないとかで、今でも残っている建物。
今でも普通に街の中に溶け込んでいます。
建物の中をよく見てみると、椅子や机、書類のようなものが中にあるのが見れました。
ここに人がいて、働いていたのは見て分かります。

セルビアが旧ユーゴの中心である、ということは、「ユーゴから独立したい」と言った国を攻撃する側の国なのです。
ボスニア内戦の時には不可侵(攻撃をしてはいけない)の村を徹底的に虐殺したこともあります。
これは、国際裁判で後にジェノサイド(虐殺)と認定されました。
ここがNATOによる爆撃を受けた理由はコソヴォ問題。
これは聞いたことがあるでしょう。
非常にデリケートな問題なのですが、簡単に言えば、セルビアが「コソヴォは意地でもセルビアである」としたこと。
コソヴォは実は今となってはセルビア人はほとんどいなく、アルバニア人という人々が住むところ。
そしてまたコソヴォ内戦が始まります。
これに、アメリカを筆頭としたNATO軍が介入。
コソヴォについたNATOはセルビアを敵国として、爆撃をしました。
コソヴォ問題については、後にコソヴォに行ったので、そこでまた紹介します。
どちらかに肩を貸した説明はあまりしたくないのですが、
要するに「正義の代償」とでもいったところ。
悪役も人間であって、そこには人が住んでいて、悪国にも人が生きているということです。
なんだか、とても複雑。

個人的な意見になってしまいますが、僕にとってやっぱりセルビアは悪としての見解でした。
でも、レストランで話した店員さんは「世界中からセルビアは悪者にされている。でも本当はそうじゃないんだ。」と言っていました。
お互い英語が流暢なわけではないので、深い話はできなかったけれど、なんかその一言で少し不思議な感情をもちました。
悪者と呼ばれている側からの声、というのはとても大事だと思います。
やっぱり固定観念とは人の考え方を硬くするんだな、とつくづく思います。
正義の代償、とは今でも存在しているものです。
僕達は知らないことが多いけど、今でも戦争は起こっている。
現に、国際裁判で虐殺と認定されたものが、今でもアフリカでは現在進行形で進んでいる。
・・・珍しくオレの主張を書いちゃうけど、日本のマスメディアは本当に今のままでいいのか。
需要とか視聴率、「ビジネス」という面でのマスメディアが必要なのは理解するさ。
女優が変な役柄をしたとか、あの芸能人が歌手デビューとか、そんなのが報じられている中で、知らないところで虐殺は今も起こってる。
虐殺を止めろとか、平和を唱えろとか、そういうことじゃなくて、まずはオレ達が知ることが重要なんじゃないのか。
まずは、知るだけでいいんじゃないのか。
それを伝えるのはマスメディアなんじゃないのか。
ちょっとこういうところに来ると考えてしまいます。
ここで知ったことは「悪者も生きてる」。
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やっぱユーゴ編はちょっと重くなりがちだね。
でもそれを知りたかったから、こっちに来ました。
一言:スペインの週末は宿がない・・・。野宿か1万円のシングルの二択を迫られてオレは・・・。
イエーーィ!!!バスタブ最高ー!!!朝飯はバイキングだーーー!!!
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